ｲﾏｰｼﾞｮﾝ
こんな狭っ苦しい部屋の中で汗だくになって、ｷﾞｭｳｷﾞｭｳ詰めの客の熱気と重たい物を持たされて、階段を上ったり下ったり、倉庫もｷﾞｭｳｷﾞｭｳ詰めで、仕事が捗らない。
嫌気がさしていた。

私は、品出しとﾚｼﾞだけやりたい。

狭い店なんだから、探し物位、自分で探せよ。
どうせ、暇で買い物来てるんだろ。

働き始めた頃は、これが100円？優れた色々な物に囲まれて仕事をするのが楽しかった。
しかし、客として気軽に買い物に来る気軽さとは違う。
数ヶ月働いたら、苛々が募っていった。

とにかく、店内が狭い。
2階の倉庫兼、休憩所の所に小さな窓があるけれど、窓を開ければ、鬱蒼としていてｼﾞﾒｼﾞﾒした、日の当たらない景色が有るだけ。
窓が有るのは、そこだけ。
売り場に降りれば、客でｷﾞｭｳｷﾞｭｳ、しかも商店街の中に有るので、店外も人通りが激しく、もやっとした空気で重たい。そして、とにかく暑い。ﾊﾞｲﾄを転々としていた頃から気が付けば8月に入っていた。

それがｽﾄﾚｽを倍増させた。

私は、感情がすぐ顔に出てしまうので、仕事中は常に眉間に皺がよっていた。

だけど、時給が900円。
それで何とか持ちこたえていた。

持ちこたえていたものの、2階に煙草を吸いに行く時間が増えていった。

そんな私の身体に少し変化が現れていた。
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