イマージョン
「え?なんで…」
2人の写真を見て義則と私を比較していたら重たくなってしまった口が中々開かず、とりあえず眞奈のグラスにも酎ハイを注いだ。
「知ってるでよね?義則の性格…」
「うん。まぁ…」
私達は"姉妹"だから眞奈が何故、義則と別れたのか何故、私は義則と別れたいのか分かると思う。でも重たくなった口を開き、少しずつ、今までの経緯と義則の女々しい性格、私に依存している所、この前、義則に迎えに来て貰った時に私が暴言を吐いても怒らない事、義則の顔も見たくない、逢いたくない、でも別れたい。言葉にして行くと自分でも、気が付かなかった思いが溢れ出して行った。私は、こんな事も思っていたのかと。今まで義則の話しを誰の前でも避けてきた。でも眞奈は姉妹だから分かってくれるだろうと思って話している。眞奈だから話す事が出来る。でももし義則とはどうなん?と聞かれなかったら自分から何も話さなかったかもしれない。私は、いつも自分の世界に思いを溜め込んでしまう。
< 67 / 174 >

この作品をシェア

pagetop