高校四年生(ラジオドラマ化決定!)


中学の同窓会に出席したときのことだ。

イジメをして退学処分を受けた一部が、世間から執拗なパッシングをされ、引きこもりになったという。

何度も自傷行為も繰り返したり、自宅屋根から飛び降り全身打撲を負ったことも。

イジメた人間がイジメられる人間に変わった。

遷崎は、間接的にイジメる側に回ってしまったことを悟った。

悪意を悪意のみで返したら、この世界は一生変わらない。かといって、何もしない泣き寝入りも意味がない。

甘かった。

情報はあらゆる視点から集めるべきだった。

彼自身が被害者側にいると周りが見えない時がある、客観視してるようで全くしてなかった。

イジメる側とイジメられる側、両者の真実を徹底的に調べたあとで、初めて自分の気持ちが活きていく。

遷崎は、かつて自分をイジメた者達に接触し、双方が本当の意味で納得するまでぶつかる決意をした。




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