高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



二度目の校門を跨ぎ、いつもの公園のベンチへ身体が自然と向かって歩いている。


この時間帯は登校する生徒と擦れ違う。鞄も持たず、同じ制服着た俺が逆方向に歩く姿を生徒らは不思議そうに見ていく。

退学するまでなら人目を避けるように道を歩いていたが、今はどうでもよく誰に見られようが平気だった。


だがある会話だけは足を止めてしまうぐらい鮮明に頭に、脳みそに刻み込まれる。


この会話の中に、俺のこれから先の未来を大きく左右するなんて、この時は知る由もなかった。


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