高校四年生(ラジオドラマ化決定!)



「此処でずっと考えてても仕方ない、元々美玲を助けるつもりで逃がした。このままじゃナオキの見解通り中途半端だ」


遷崎はスッと腰を上げて、ジャケットを羽織る。

「これから中野北高校に向かう。ついてきてくれるか、相棒」


「正直、あの高校には二度と行きたくない。身体が拒否反応起こすぐらい、俺にとってトラウマな場所になっちまった。でも、彼女も俺と似たような待遇のされ方して学校に行き続けてる。真意はわかんねぇけど、俺、彼女と話をしてみたい」


他人のことなのに何か一緒の部分があると、自分の気持ちを相手に本気で話せる……人間って一生説明出来ない生き物だな。


「ナオキ、お前は二度と学校に行きたくないって本気で思ってるか?」


「……え、あ、うん」


おかしい、どうして即答しなかった?


今の今、学校は御免だって言ったのに、遷崎の問いに即答が遅れた。てか、俺のこと話してる場合じゃないだろ。


「もしオレがナオキの無実を証明して、謹慎処分を白紙にしたら、もう一度学校に行く気はないか?」


「それって……」


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