Don't a hero
「……………なぁ。」
野宮は沈黙を破った。
「なに?」
「お前はどうしてこんな仕事をやろうとおもったんだ?」
野宮は席を立ち、俺の横に座った。
「別に…。特に理由はない。」
「本当か!?お前すげーな。目的無しにこんな仕事するなんて…。」
野宮は少し驚いた表情を見せ、俺の顔をまじまじと見た。
『そういえば…。この前 集まったとき、こいつは一方的にこの仕事を嫌がっていたような…。』
この前とはうってかわった様子を見せる野宮を、俺は不思議に思った。
「まぁ、かなりの報酬が貰えるらしいし、そこまで文句はねぇよな。」
野宮は少し上を向きながら悪戯にニッと笑った。
「目的は金か?」
「もちろん!」
俺が訪ねると野宮は親指を立て、即答した。