届かない


「…それは、メグって仔もグルなんじゃないの?」
「でも…メグはそんな事しないっ…」
「事件の犯人っていうのはいつも意外な人だからね?」
「…でも…ってあなた誰ですか!」
どうやらあたしは無意識のうちに話していたらしい。
隣のベッドにいる中3くらいの男子と。
「俺?俺は箕田 翔。(ミタ カケル)中3、お前は?」
「…あたしは山城 由依。中1」
「ほーん… てか俺のこと知らねーの?」
「知りません」
「有名なのになあ… あ、タメでいいから」
「有名?」
「そっ!俺箕田浩一の息子」
「箕田 浩一って…!」
そういうと 箕田 翔は口角をあげて笑った。
「神奈川県警の署長。結構犯人とか捕まえてて有名だろ?」
「…うん!」
「あの犯人を推理してんの、俺なんだよな」
「!?」
「どうです?俺にこの事件任せてみない?」
「…でも中3でしょ?受験じゃ…」
「大丈夫、大丈夫。もう高校決まってる」
「早くないですか?」
「そーか?」
「はい」
箕田 翔は一息吐いてこう言った。
「どうするの?任せる?」
この人しかいないよね…
「お願いします」



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