届かない
「山城…っ?
昨日泣いた…?」
KY男:佐藤 秀冰(サトウ シュウヒ)が言う。
秀冰は6年生の時,男子の中で唯一あたしをいじめなかった男子。
だからと言って,男子達から嫌われてた訳ではない。
「何言ってんの…?
泣いた訳ないじゃん」
あたしはウソをつく。
だって,泣いたって言ったら又泣いちゃうから…
「ウソつけ。
目,腫れてる」
「これは,えと,も,ものもらいだよ!;」
迫真の演技(?)で言う。
「んじゃぁ,保健室行くか。
いじっちゃダメだし。
眼帯貰わないとな,行くぞ」
「はぁ…!?」
秀冰にウソつくんじゃなかった…