届かない


いつしか,話しかけられるのを待ってる自分が居た。

「なー,山城」

ドキッと跳ね上がる心臓。

「なっ,なに!?」

緊張して声が裏返るあたし。

「ぷっ お前何声裏返してんの?w」

無邪気に笑う君。

「あの…何か…」

恐る恐る訊くあたし。

「ぁwそうそう…
どこやんの?」

数学の教科書指差して言う君。

「41ページの問4だよ!」

「さんきゅ」

“さんきゅ”
君に言われるだけでドキッとくるあたしって…

重症!?



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