17-セブンティーン-


頬に違和感を感じる。


「…」


寝ぼけてるな、と思った瞬間


「おにぃちゃん!」


と小さな手が俺の頬をぺちぺちと叩いた。


「…え」

「え、じゃないよ~かみのけむすんで」


半目の俺の目の前に、何かつき出されたが、なかなかピントが合わない。

じわじわと視界がはっきりしてきて、それが髪ゴムということがわかった。

俺は体を起こした。


「…え」

「だから!え、じゃないよ~かみのけむすんで」


言うと、里香がくるりと背を向けた。

するとバタバタと言わせながら、仕事の支度をしたお袋が。


「あー英治!悪いけど、里香の髪の毛お願い!あとそこにお弁当おいてるから!送りもお願い!じゃあ行ってきます!」

「…」


お袋の言葉に頭がついて行く前に、お袋の姿はなくなり、静かになった。

隣で陽介は口を開けて寝ている。

時計は7時半。

保育園は8時半までに連れて行かねばならない。

やっと状況を把握して言った。


「あたま、どうしたい?」


俺の質問に、里香はわざわざ振り返って


「みつあみー」


と嬉しそうに答えた。



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