僕らの瞳にうつる世界。
背の高い彼から見下ろされると目付きも悪いせいか、威圧感が……。
「あー……じゃなくて」
「?」
「大丈夫?…その…泣いてたから…」
頭をかきながらめんどくさそうに言った彼は照れを隠しているように見える。
その照れた顔が、あの時のあっくんの顔を思い出させた。
嫌だ……
「大丈夫ですから……」
「お、おい……」
胸が最高に切なくなった。
「離してくださいっ」
その場を去ろうとしたあたしの手を掴んだ彼の手を振り払う。
そしてキッと一瞬だけ彼を睨むと、橋の上に走る。
「おい!……っ」
橋の手すりに手をかけて股がる。
そのまま飛び降りようとした。