君の声【短編】
「え?ここで働いてるのに?」
大きな目をさらに大きく開いて
彼女は驚いていた
「はい、コーヒーぐらいです」
「それじゃ意見は聞けないわね」
苦笑いのような感じで微笑む彼女は
足を組み替えてまた眉間に皺をよせた
「そうだ、さっき僕ガトーショコラ作ったんですけど」
僕の作るガトーショコラは
常連の間では有名だ
ようするに裏メニューと言うやつだ
「食べますか?」
「あなたが作ったの?」
「えぇ、そうですよ」