腐女子も恋していいですか?
「聡くんは、BLの妄想だけかとおもったよぉ。まさか恋愛対象になるなんてぇ」
 舞が、意外、というように私に聞いてくる。


「うん、私自身も不思議だよ。というか、好きって気持ちに、今気が付いたばかりだから」
「えっ?」
 舞も、瑞穂も、「何それ?」と、疑問を私に聞く。


「さっきの、ダブルデートの話し。聡くんによかったねって喜ばれて、すごく悲しかった…」


「あっ、あれねぇ…。・・・・・・聡くんに、瑞穂の気持ち、伝える気はないのぉ?」
「わからない。でも、もうフラれた気がするよ」
「そんなの、言ってみなくちゃわからないじゃない。私、協力するよ! あっ、でも、今日は来てもらうけど…」


 プッ。


 聖のチグハグナなぐさめに、思わず噴き出してしまった。


 私の笑顔を見て、舞は元気な声を出して、私たちにこう言った。


「よし! 今から、聡くんを振り向かせる、作戦会議をしよぉ!」
 その言葉を受けて、私たちは笑って、ノートと鉛筆を机の上に出した。
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