腐女子も恋していいですか?
「村雨くんて、どんな人だっけ? 背が結構高いってくらいしか情報がないんだけど」

「どんな人って言われても…。うーん、ちょっと威圧的…かな。有無を言わせないというか、言えないというか…。いつも怒ってる感じで恐いし…」


「そうなの? 何か、私まで恐くなってきたよー。村雨くんと、合コンの後にも会ったんだっけ?」

「ううん、電話だけ…。だから、めちゃくちゃ緊張する」
 聖の緊張感が私にまで伝わってきそう。

 
「そんなに恐いのに、なんで別れないの? 無理してつき合うこと無いじゃない」

「でも……、恐いんだけど、優しいし。あっ、合コンの時はね、すごく優しかったの。それに、電話でも、たまに優しい声に聞こえる時もあって…。その時、すごく嬉しくなっちゃうんだ」


「そっか…。聖は、村雨くんのことが好き…なんだね」
「…うん。好き…なんだと思う」
 幸せそうな聖の顔は、私の心も幸せにしてくれる。



「あっ、あれ村雨くんかも」
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