腐女子も恋していいですか?
「岬、BL読んでんの?」
「え!?」
 しまったー!


 もしかして、ドン引きされた?
「え…あの…、うん」

 
「マジで…?」
 ああー。この疑うような眼差し…。
完ぺきに変な女と思われたな…。正直いって、ちょっとショックかも。


別に隠してるわけではないけれど(友達に薦めてるくらいだし)、でも、男子から白い目で見られると、いろいろ…。
私の頭の中の妄想も、感づかれそうで、むやみやたらに出来なくなりそう…だし。


ああ…でも、『やっぱり読みません』なんて、今さら白々しく言えないし・・・・・・。


「・・・・・・マジです」


「マジかよ! 俺って、超ツイてるかも!」
 え?
 満面の笑顔の聡くんに、今度は私がキョトンとしてしまった。


「じゃあさ、また今度、岬に本のこと聞いていい? 俺、正直いってこの手の本、どれ選んでいいのかよくわかんなくて」
「え? うん。私でよければ」


「サンキュー。じゃあ、またな。今日はありがとなー!」
 そう手を振ると、聡くんはレジへと向かって行ってしまった。



 え?
 なに?
 ドン引きは、されなかった…ってことだ、よね?


 よかったー。
 胸を撫で下ろして、ふぅーと息を吐いた。


こうして聡くんと私との、深い接点が、ここから始まった―――。
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