それでもあなたに恋をする


「……ねぇ、ここって…」



何故?

どうして?


頭が上手くまわらない。




「さぁ、沖課長。お二人を待たせていますから、行きましょう。」





連れて来られたのは、社長のマンション。


私も何度かお邪魔したからよく知っているけど。


このマンションに新人歓迎会を行えるスペースなんてない。




「…山口君、どういう事?」


問いかけるも、山口君はにっこり微笑むだけで、口を開かない。





そのうちエレベーターが到着して、山口君に促され、納得の行かないまま乗り込んだ。



それから 彼は、当たり前の様に最上階のボタンを押す。



最上階は、社長の部屋がある。

< 29 / 62 >

この作品をシェア

pagetop