それでもあなたに恋をする
「……ねぇ、ここって…」
何故?
どうして?
頭が上手くまわらない。
「さぁ、沖課長。お二人を待たせていますから、行きましょう。」
連れて来られたのは、社長のマンション。
私も何度かお邪魔したからよく知っているけど。
このマンションに新人歓迎会を行えるスペースなんてない。
「…山口君、どういう事?」
問いかけるも、山口君はにっこり微笑むだけで、口を開かない。
そのうちエレベーターが到着して、山口君に促され、納得の行かないまま乗り込んだ。
それから 彼は、当たり前の様に最上階のボタンを押す。
最上階は、社長の部屋がある。