それでもあなたに恋をする
「山口君、ちょっと落ち着いて…」
あまりにも大喜びするから、抱き締められてる私は身動き出来なくて苦しい。
「無理です!」
「え?」
「こんなに嬉しいのに、落ち着けるわけないです!」
満面の笑みで言われ、返す言葉が見つからない。
「俺、今、世界一幸せです!!」
今まで見たことが無い山口君だった。
キビキビと仕事をこなし、新人とは思えない働きぶりで。
そのくせ上司の私をばかにする様な態度をとったり。
掴み所のない子だと思ってた。
こんな風に笑うんだ――…
山口君に抱き締められ、ドキドキが止まらなかった。
それから、もっとこの笑顔が見たいとか、もっと知らない顔が見てみたいとか、 強く強く思った。