それでもあなたに恋をする
甘いキスの雨が沢山落ちてきて、私の思考を奪っていく。
「…ダメ。」
言葉でどんなに抵抗しても、身体は素直に反応していて。
「雅さん。素直に、なって?」
また魔法の言葉が囁かれる。
「……ぁ。」
身体も心も山口君で満たされる。
とろけてしまいそうな幸せな時間。
「そういえば、入社式の時、常務と何を話していたの?」
「ああ、婚約発表の前ですか?
僕は沖雅さんを愛していますと、宣言していました。」
「はい?」
「僕は常務の秘書ですから、婚約発表の事は前もって聞いていました。それであのタイミングでお声をかけたら、かなり緊張していたので。リラックス出来ればと考えました。」
「それで、宣言?」
「はい。思惑通り笑って下さいました。
そのおかげで、秘書課をつくってくれたり、今日の歓迎会を企画してくれましたから、感謝してます。」
信じられない事を聞いてしまった。
じゃあ、今日こうなった事も、常務に知られるって事?
「…恥ずかし過ぎる。」
「大丈夫ですよ。社長夫婦には僕の口から伝えます。」
そう告げる山口君は、意地の悪い笑顔を浮かべていた。
こんな恥ずかしい仕打ちを受けているのに、初めて見た小悪魔な笑顔から目が離せないでいる私。
もっと、色々な顔が見たいと願う私。
充分過ぎる位、素直になっているみたい。
「雅さん、愛してます。」
「///…私も」