君に触れたくて…
「お前の顔、見たくねぇんだよ。………消えて」
泣いているのは分かった。
俺の背中に神経が集中する。
ごめん…秋桜。
お前は悪くねぇのに…
過ぎ去る俺の名を、幸弘が叫んだ。
だけど俺はそのまま、学校をあとにした。
なぁ…
もし、運命があるとすれば
お前はきっと、幸弘と出会う運命だったんだ。
携帯小説みたいに、愛しあう2人は幸弘と…秋桜。
お前の恋愛小説に、俺は出てこなくて…
幸せな姿を…想像するだけ。
教えてくれよ…
どうしたら俺は、お前を諦めきれる?
叶わない恋に溺れる強さも、勇気も、
俺にはないんだ…
秋桜…
いっそお前が嫌ってくれたら、
少しは俺も、楽になれると思う。
だから…