君に触れたくて…





まさか学園祭で会うなんて、思ってもみなかった。




あなたの姿を見た時、胸が張り裂けそうだった。



今すぐ抱きしめたいと思った。




あなたの名前を呼んで、走って…




でもね…、
そんな事出来なかったよ…。




レストランで、彼女と楽しそうにしてた理音が頭に焼き付いて離れないから…。




あなたの幸せを崩したくはないから…。




あたしが今ここで“すき”って言っても、あなたはあたしの元へは来ない。



分かってるんだ…




失ったのは時間だけじゃない。



あたし達の心の距離まで失われて行った。





ねぇ理音、
もうあたしは、あなたの笑顔を見ることは出来ないのかな…?



あなたに“大好き”と伝えることは、出来ないのかな…?



< 275 / 343 >

この作品をシェア

pagetop