GOLD BOY
やっと洋服が終わったと思ったら、有名な石鹸の専門店がタイムセールをはじめやがった。
そしていまにいたる。
確かに石鹸は個々ではすごくいい匂いだ。
でもそれは個々であるから。
あたしが今持っている石鹸の数およそ20。
そのうちの15個は奈美の。
クラッシュの石鹸は高いけど、一つ一つが大きい。
そのため匂いも抜群。
あたしの腕のなかでは今、すでに20種類の匂いが混ざってる。
まさに生き地獄。
のに関わらず、奈美はさらに5個石鹸を買って、あたしに持たせた。
「…死ぬ。」
「だからまだ死んでないから平気よ。
あ、ご飯食べに行きましょ。」