君の左のポケットで~Now&Forever~

覗き穴からそっと向こうを覗いてみる。



「きゃ!!」



ドアの向こうで、ユウ君も同じことをしていた。


心臓が飛び出るくらいびっくりした。



「お、いるんじゃん、開けてくれよ、オレだよ、ユウ。なんだよレン、きゃ!なんて女みてえな声だして」


「…レンじゃないし」



もうどうしようもない。


振り返って掛け時計を見ると、5時50分だった。



そろそろレンも帰ってくるはずだし、わたしだってもう、ヒトなんだし。


自分でも微妙な決心をして、ユウ君が覗き込むドアをおもいっきり開けた。



< 108 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop