君の左のポケットで~Now&Forever~
「いでっ!!」
おもいっきりよく開けすぎてしまったドアは、
ドアに顔を近づけていたユウ君の顔面を直撃してしまった。
「あ、ごめんなさい」
「ってえなあ…なにすんだよレン、ひでぇ…ってあれ?」
鼻をおさえていたユウ君が、きょとんとした顔でわたしを見ていた。
「あ、あれあれ? あれ?」
「…ごめんなさい」
「あれ? ここ、レンの部屋、ですよね?」
「うん」
「あれ? 誰?」
「あの…」
「あーー! もしかして彼女? んあんだよ、レン、彼女なんていねーとか言っといているんじゃん」
「その…」
「で、レンは?」
「いない。まだ帰ってきてないの」
「そうなの? じゃ、ちょっと待たせてもらっていい?」
「え?」
「おじゃましまっす」
「ええ?」
ユウ君はわたしの返事なんて待たずに、スニーカーを脱いですたすたと部屋に上がり込んでしまった。