君の左のポケットで~Now&Forever~
「よ。おかえり、レン」
わざとふざけたユウ君がレンに声をかけると、レンはびっくりして目を見開いた。
「あれ? ユウ、なにしてんの?」
「別にい。夕飯でも一緒に食うかなって思って来たんだけど」
「なんで入ってきたわけ?」
「なんだよそれぇ。開けてくれたから入ったんじゃんよ」
「いや、そうじゃなくて」
「しっかしなぁ…レン、お前もなかなかやるな」
「なにが」
「いつのまに女の子と暮らしてんだよぉ」
「暮らし…っていうか、別に」
レンはそわそわしていた。
怒られた子供みたいな顔をして、頭をぼりぼりかいている。
「10日前からだって? 何にも言わねーから、びっくりしたよ」
え? という顔をしたレンがわたしを振り返る。
「レンが帰ってくる前にね、聞かれてね」
ふう…と息を吐いたレンは、やれやれという感じで鞄をソファに置いて、すとんと床に腰を下ろした。