君の左のポケットで~Now&Forever~
「ただいま」
まだ何か聞きたそうなユウ君を前にして、ちょっと身構え始めたころ、レンが帰ってきた。
「あ、レン。おかえり!」
早く帰ってきてくれないかと思っていたタイミングで現れたレンに、わたしは駆け寄った。
「なんだナナ、洗濯物抱えて」
そういえば、わたしはずっと洗濯物を抱えたままだった。
突然のハプニングに、下ろすことも忘れていた。
抱えた洗濯物は緊張で押しつぶされていて、胸のあたりの服を見ると皺が寄っている。
腕からはみ出ているブラジャーが揺れているのに気がついて、驚いた。
どぎまぎしながらユウ君と話しているあいだ、
このブラジャーはずっとぶら下がったままだったんだろうか。
そう思ったら、顔から火が出るほど恥ずかしくなった。
そっと振り返ると、ユウ君がにやにやしながら、わたしとレンを眺めていた。