君との出会い~奇跡がある限り~
凶報 side慶介
「はぁ……はぁ……。」
麗羅ちゃんと別れた後、俺はとにかく走っていた。
大切な人に会うために。
俺が着いた先はここら辺でも、一番大きいと言われる病院で…
「珪奈!!」
看護士さんに案内されたのは、いつもの部屋と違う場所だった。
集中治療室……いわゆる“ICU”と書かれた部屋だった。
カーテンで仕切られた珪奈のベッドの近くには、すでに2人の人がいた。
1人は、腰くらいまである長い髪の毛が乱れていてシワも多少あるが、
20代と言っても通じるくらいの綺麗な女の人で
もう1人の方は、赤髪の短髪で明らかにカタギの人とわかるような人で…
だけど、その見た目に反してとてもおろおろして、目が少し泳いでいるのが分かった。
そして俺は、気にせずその二人に近づいた。