Dear my Dr.
間もなくして、ドアが開いた後、コツコツと足音が聞こえてきて立ち止まる。

「ねぇ、悠ちゃん見て?キレイ」

「ホントだ、昼間気付かなかった」

変わらず穏やかな声。

そっと肩を抱き寄せられた。

「美波、こっち来て」

手を引かれて、リビングのソファーに座らされる。

テーブルの上には…

「シャンパン?」

「ホテルからのサービスって」

「すごいねー!?」

「飲む?」

「飲みたいっ!」

いつも車の運転してくれるから、悠ちゃんとお酒飲むのなんて久しぶりかも。

ビールとかは苦手だけど、シャンパンなら飲める。

職場の飲み会で、そんなことを言ったら“さすがお嬢だねぇ”なんてからかわれたけど。

「さーて…」

悠ちゃんはそう言ってボトルを取り上げると、急に振るマネをする。

「わっ!!ちょっとぉ!?」

「ウソウソっ」

「もー、びっくりしたぁ」

意外と、無邪気な一面もある悠ちゃん。

笑ってるのがなんかカワイイけど、ビックリするからやめてよねぇ?

「開けるよ?いい?」

「やっ、ちょっと待って」

ちょっと怖くて身構える。

「……ドンっ!!」

「って、もー!びっくりするから!悠ちゃん!?」

私、完全に遊ばれてる?
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