Dear my Dr.
朝、

悠ちゃんよりも早くベッドを抜け出して、リビングのカーテンを開ける。

最近少し暖かい日差し。

時計を気にしつつ朝ごはんを作る。

6時半、

悠ちゃんを起こすために、まだカーテンを閉めたままのベッドルームへ。

「ん~……今なんじ…?」

「6時半だよっ!」

「…うん……うん、わかってる」

「今起きないと遅刻だと思うけど?」

「……わかってるよ……ZZZ」

「全然わかってないじゃないの~」

いつもしっかり者のくせに、朝だけはカワイイ悠ちゃんに、思わず笑みがこぼれる。

だって、子供みたいな寝顔。

まるで天使。

じっと見てたいくらい。

だけど、時間は待ってくれないから、叩き起こすのが妻の役目。

心を鬼にして。

ようやく半分目が開いて、ダイニングに座りながらパンをかじってる悠ちゃん。

そろそろ急がないと本当に遅刻だと思うけど、大丈夫かな?

でも、そこは予定通り。

少しずつ目が覚めて、家を出るころにはパッチリ。

7時ちょうどに出勤。

「気をつけてね」

「うん、行ってきます」

私の額にキスをして、悠ちゃんは玄関を出て行く。
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