Dear my Dr.
半年ぶりの帰国。

半年だけだったのに、こっちでは色々と変化があったみたいだ。

長男の浩哉くんは茅島病院に帰ってきたし、三男の友哉くんも帰ってくる予定。

茅島三兄弟が揃うんだ。

そして、もうひとつ。

「うるせーなぁ…わかってるよ！！」

「わかってないから言ってるんだ」

「……あー、マジうぜー」

「秀介、言葉づかいに気をつけなさい」

「はいはいっ！！」

…お兄ちゃんも帰ってきたのだ。

伊崎総合病院を継ぐっていうのは、ハッタリでもなんでもなかった。

素直じゃないのは変わってないけど。

茅島家とは違って、伊崎家の食卓はピリピリした空気が漂う。

「美波も悠哉くんも帰ってきたんだから、今日くらい穏やかにできないの？」

お母さんがため息をついた。

その気持ち、わかる。

うちのお兄ちゃんとお父さんって、いつ仲良くなってくれるんだろう？

“仲良く”っていうか“素直に”。

一生無理、かな…？





とにかく、また戻ってきた。

全部再スタート。

また新しい季節がやってくる。

春は、出会いと別れの季節だ。

< 87 / 120 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop