先生と教官室

私だけのエスパー






「じゃぁ、そろそろ帰るか?」






「え…あ、はい……。」






先生の言葉に、実は『もう離れちゃうの?』って思ってしまった。






でも、そうだよね。






ここは学校だし、それに明日もテストがある。






本当なら、先生にだってテストが終わるまで逢うはずじゃなかったんだもん。






恵那にあんな事まで言ったのに…なんか情けないな…。






離れたくない気持ちと離れなきゃという気持ちが混ざる。






ゆっくり、でも確実に先生から身体を離していく。







ギュゥッ……






「え?」






すると、肩を引き寄せられさっきよりも強く抱きしめられた。







え、帰るんじゃ…。







「いやー、離れたくないって思ってる気がして。」







ドキッ






「う…あ、えっと。」






「はは、図星だな?」






「――っっな、なんなんですか!!私の気持ち全部当てて!!先生ってエスパーか何かですか!!?」







いつもいつも私の心解っちゃうなんて。







もう凄すぎるとしか言えないよ先生…。









< 273 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop