先生と教官室

矛盾







――――――――――………





やばい、この待っている時間が一番緊張する。





どうやって待っていようかとか、身だしなみは大丈夫かとか気にすることが沢山で…。





「ふぅ………。」





あの電話の後、恵那に全ての事情をメールし、スーパーへと足を向けた。





抜け出す理由は恵那が考えてくれて、二人に何の疑いも与えずうまく抜けだすことができた。





とりあえず恵那から『こっちは大丈夫』というメールも貰ったし、後考えることは先生のことだけだ。





スーパーの入り口で一人先生を待っていると、何だかデートの待ち合わせみたいでドキドキする。





まぁ、みたいじゃなくて本当にデートなんですけどね。






「よう、片瀬。」





「っっ先生!!」






浮かれる私の肩をたたいたのは、私服姿の先生だった。





ポロシャツにチノパンというシンプルなファッションなのに、何故かとても格好良く見えてしまう。





「片瀬、どうした?俺なんか変?」





「あ、いえ…別に……。」






服は変わっていても、それ以外は特に変わらない先生。





でも、いつもと大きく違うのは…。





「何で片瀬なんですか?」





二人だけでいる時なのに、呼び方が違うってこと。









< 314 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop