この世界にいる誰かへ
いつからだったろうか



この人の為に生きなければと思ったのは



いつの間にか



空を舞うことは制限された



恋い焦がれた、雲や風…。



いつの間にか遠くなった


枷がはめられ



翼は封じられた



駆け抜けていた大地は



何処か遠くなった



駄馬になってしまった



自由は何処にいったのか


何を私は得られたのだろうか?





恋い焦がれた、雲や風…。





今すぐ追いかけたい



この枷を喰いちぎってでも…。





叶うなら






どうか空へ舞い上がりたい





自由に…。

自由に…。

自由に…。






今すぐ追いかけたい。






いつの間にか遠くなった。





恋い焦がれた、雲や風…。





魅惑の月…。



手の届かない綺麗な金色の月。





神様…。






こんなに苦しいなら。






私をどこかにやってしまってください。






自由に…。






恋い焦がれた空へ。





遠くで稲妻が鳴っている。





私を…。






神様…。






駄馬に自由はないのですか?






どこか遠くに飛ばして…。





でないと。






苦しくて。

苦しくて…。






窒息してしまいそうだから。






恋い焦がれた空へ…。






走らせて…。






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