それぞれのstory。


「久しぶり。」
「うん…。」
「会いたかった。」
「私だって…。
ずっと、ずっと会いたかった。

目が覚めて、透琉はもう居ないんだって知った時……何で私だけ生き残ったんだろうって。


もっと、ずっと一緒に居たかった。

透琉が居ない世界に生きてるくらいなら、もう自分から終わらそうと思った事だって…。」
透琉の言葉を聞いて、私は堰を切ったように話し出した。


「ごめんな。
朱音遺していって。

でも、俺は朱音もこっちに来て欲しいとは、どうしても思えなかった。」
「何で…??
私は一緒に居られるなら、例え何処にでも一緒に行きたかった。」
透琉は穏やかに優しく話してくれてるけど、私は涙を流しながら、少し責めるようにそう言った。



「朱音。
俺は、一緒に居たかったけど、2人共死んで一緒に居たとしても、幸せになれない。
そう思った。

確かに、辛かったと思う。

けど、支えてくれる家族、友達が居たろ??

出逢えたろ??
愛せる人に。」
透琉のその言葉にパパや歩、莢。

そして、心蒔の顔が順番に浮かんだ。


「透琉。」
「俺も確かにすぐにでも会いに行きたかったけど…。

こうして、夢でも何でも会いに行く事は出来たけど…。

それじゃあ駄目だと思ったんだ。


そんな事をすれば、朱音をこっちに引っ張りかねなかったから。

だから、ちゃんと朱音が何かを見つけられるのを待ってたんだ。


愛せる人じゃなくても、何でも良かった。

希望とか夢でも。


俺が会いに行くのは逆効果だから、朱音の周りにそれまで支えてもらえるように、ずっと願って見守ってたんだ。」
「どうして、それが今だったの??」
その会いに来たのが、どうして今だったのかよく分からなくて、そう聞いた。


「朱音が向き合う事を決めてくれたから。

あの事故の後、お袋と会って責められただろ??
…俺のせいで。

ごめんな。
朱音だって、半年も眠ってたのに。
俺もこっちに来てしまうんじゃないかって心配したけど。

お袋だって分かってたと思うんだ。

だけど、あの頃はまだ受け止められなくて、責めてしまったと思うんだ。」




< 31 / 67 >

この作品をシェア

pagetop