リフレイン〜3rd Season〜

――…




「あーもう恥ずかしい。オヤジに泣き顔見られるなんて、屈辱だわ!」




「ははっ!良い親父さんじゃん。最終的には分かってくれたし」




俺がそう言うと、朱里は照れ臭そうに俯いた。




「そんなこと言ってくれるの…健太だけよ。」




小さく呟いた彼女。




その声のトーンに、彼女の心に大きな闇が隠れているのを……俺は見逃さなかった。




「朱里、また今度……朱里の実家にお邪魔させてもらうよ。」




「えっ!?でも……」




「朱里の親父さんさ、今まで朱里にキツいこと言ったりしてたみたいだけど…本当は自分の気持ちを上手く伝えられなくて、もどかしかっただけなんだと思う。」




「……そんなの」




朱里はぎゅっと手を握った。




俺はすかさず、彼女の手を上からそっと握る。



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