どうしょうもねぇくれぇ、好き。
「わりぃ方向に引っ張られんなよ。」
「は?」
右手を額に当てて机に肘を立てて項垂れていると長原が強い口調で言い放つ。
長原が言った意味が分からなくて天井を見上げている長原の横顔を見つめる。
「どういう意味だよ?」
首を傾げてる長原が天井を見上げながら一人言のように話し出した。
「俺さー…好きな奴居んだよね。」
「はぁ?」
おいおい、話変わりすぎだろ。
俺はさっきの説明が聞きてぇんだよ。
「まぁ聞けって。」
声を発しようと口を開いたら長原はシイーと自分の口元に人差し指を持ってきて"黙れ"とジェスチャーをする。
はいはい、分かった。
つぅーかお前のその色気はどうにかなんねぇのか。
その仕草を色気ムンムンでやってる奴初めて見たぞ。俺は。