スパイ・ハイスクール




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嗚呼、今日はついてない。


「棗、起きて」

「んー......」


棗を起こして来い、だなんて。棗がこの家で一番寝起きが悪いこと位、母さんだって知ってる筈なのに。


「棗、起きてよ」

「んー.......。後、5分......」


嗚呼、もう。いつもの経験上、きっと5分後にも同じことを言うのだろう。

仕方ない。それなら、この際いっそ、


「いい加減に、起・き・ろ・や」


ドカッ、という鈍い音が棗の部屋中に広がる。


「......。痛って」


棗は右足をさすりながらのっそりと起き上がった。何故って?棗には悪いけど、俺が蹴ったからだよ。

勿論、起こす為にね。



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