スパイ・ハイスクール




あのとき......。

あの時、私が助けにいけば

警察に連絡すれば

お母さんは助かったのに。



『来ちゃ駄目よ!絶対に来てはいけない!』



ふいに頭に流れた言葉。



そしてとたんに頭に流れ出す、映像。



『黙っていりゃ、いいもんを』



ずぶり、と。

赤、あか、アカ。



お母さんがどんどん、どんどん

真っ赤に染まっていく。


「ごめ.....なさ......」


私が、お母さんを、殺したんだ。


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