短編
好きだよ
って私が言えば、貴方は迷わず
じゃあ、嫌いだよ
と言うの。
だから私は少しだけ、怒ったような顔で頬を膨らませてみせるの。
すると貴方が慌てた振りをして
嘘だよ、ごめんね？
なんて予想通りの事を言ってくる。
私は、すぐに元気に笑って
じゃあ、好き？
って聞く。
すると、貴方は笑って
大好きだよ
だってさ。
でも貴方はこれを望んでいるのだろうから、私は貴方の胸に飛び込むの。
うん、大好き！
まるで無邪気な子供のような笑顔を装って、私は貴方の行動パターンには気付かない振りをするの。
貴方がどうして欲しいかとか、私が何をすると貴方はどういう反応をするかとか、全部分かってる。
貴方が一番満足できるように、私は踊るのよ。
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