俺様的レンタル王子~王子と私の関係~
「本、好きなの?」
聞かれて、思わず
「大好きです」
ウソを言ってしまった。
格闘技の本が好きです、なんて言えない。
「誰が好き?」
「え、えーっと、夏目漱石なんかが…」
「そうなんだ。僕も好きだよ」
夏目漱石なんか国語の授業でしか読んだことないけど。
「じゃあ、またね」
帰ろうとした須藤さんに思いきって聞きたかった事を聞いてみた。
「あ、あのっ、この間、私の教室に須藤さんと一緒にきた人って…」
「あぁ。純也?僕の友達なんだ。友達ってゆうか、幼なじみで小さい頃からずっと一緒だから兄弟みたいな感じかな」
「そうなんですか」
「カッコイイでしょ?気になる?」
「いえっ、そんなんじゃなくて」
「じゃあ、またね」
「はい、また…」
そうなんだ。
須藤さんと友達なんだ。
…知ったところで何もないだろうけど。