龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
「まあまあ。行きたい場所が水族館でよかったじゃない。動物園だったら大変だったよ?」


「まあな」


確かに、僕の特別な力のせいで虎だのライオンだのが逃げ惑う姿なんて、志鶴には見せられない。


「それはそれで見物だったかもしれないけどね」

悟は茶化すように言った。


それにしても、あの二人は目立つ。


小花柄のシンプルなワンピースを着た美月ちゃんは誰もが振り向くような美少女だし、レースをたっぷり使った紺のワンピース姿の志鶴は、まるで着せ替え人形だ。


まだまだ坊やな大輔じゃボディーガードにならないらしく、二人の女の子はあっという間に五人組の若い男に囲まれてしまった。

急いで側に近づくと、志鶴は腕に着けた黄色いバンドを男達に見せていた。

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