龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
「わたし達デート中だから」

志鶴が言っている。


「志鶴」

僕が呼ぶと、志鶴はニッコリと笑って僕の腕の中に飛び込んで来た。


睨むまででもなく、男達はパッと散った。


「大輔、これくらいの仏頂面見せなきゃ」

と、悟。


大きなお世話だよ。


「これ、着けて来てよかった」

志鶴が腕のバンドに触れた。


「何それ?」


「友達にもらったの」


黄色いシリコンでできた、バンドタイプのブレスレットだ。

赤い字で何かメッセージが書いてある。

志鶴の手を取ってよく見ると――

< 107 / 118 >

この作品をシェア

pagetop