龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
「お二人さん、気持は分かるけどさ、学校の敷地内でやめてくれる?」

自分の荷物と志鶴の荷物を抱えた従弟の悟がニヤニヤしながら立っている。

「圭吾やり過ぎだよ。彼女、一人じゃ歩けないぜ」

志鶴は真っ赤になって僕の胸に顔をうずめた。

「しづ姫の荷物積むの手伝うから、僕を家まで送ってよ。四男坊ともなると親もいい加減でさ、迎えにも来やしない」

悟はブツブツ親への文句を言いながら、手際良く二人分の荷物を車まで運んだ。


そして家に着き、車を降りる時に

「じゃあまたね、お姫様。僕の言った通りだったろう?」

と、助手席の志鶴に言った。


志鶴がはにかんでうなづいた。


何だ?


「あのね、悟くんが旅行中は圭吾さんに電話しちゃダメって言ったの。そしたら圭吾さんの気持ちがよく分かるからって」


黒幕はあいつか!


「お土産いっぱい買ったわ。楽しかった。今度は圭吾さんと行きたいな」



神社仏閣巡りの修学旅行コースを?


まあ、志鶴が喜ぶなら何だって
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