龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
二台目のバスから見慣れた姿が下りてくる。

志鶴は大きなボストンバックを重そうに抱え、バスの荷物室から小型のスーツケースを受け取った。

スーツケースの取っ手を引っ張りながらキョロキョロしてる。


僕を探している?


『志鶴!』と呼びかけたいのに、僕の喉はカラカラで声が出ない。


志鶴の友達が僕の方を指さして何か言った。

志鶴は僕の姿を見つけ

満面の笑みを浮かべ


そして


僕の名前を呼んで走って来た

荷物を全部そこに放り投げて


僕は飛び込んで来た志鶴を受け止め

抱きしめ

思いっきりキスをした


誰が見てようとかまうもんか


志鶴は僕のものだから
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