龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
第十三話 雪よりも白く
机の引き出しから、古い封筒が出てきた。


宛名には、かつての恋人の名前

三年前、出せなかった手紙だ。

メールにしようかと思ったが、あまりに軽い気がして手紙にしたのを覚えている。

今となっては書いた言葉も思い出せないが、その時の気持ちは覚えている。

愛していると、戻って来てくれと、頼み込んでいるはずだ。

あまりにも情けなくて、結局出せなかった。


僕は優月の名を指でそっとなぞり、苦い笑みを浮かべた。


「さようなら」


若すぎた自分に別れの言葉を告げて、僕は封筒ごとシュレッダーに突っ込んだ。


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