NEXT STEP
「本当、上矢には敵わないな。」


「ガキのくせになぁ。」


「同感だ。」



お二人さんこんなに仲好かったっけ?



てか、会話のレベルが高校生以下だよ…。



「てか梨音、上矢と付き合ってみてどう?」



二人が私を見た。



「え‥付き合ってないよ?」



「はぁ!?」



「好きなんじゃないのか?」



「好きだから、付き合ってないの。」



私はクスッと笑って歩き出した。






「じゃあさっきのキスはムカつくな。」



「たくっ。上矢のやつ。俺らの夢をあっさり叶えやがって。」



後ろからは愚痴しか聞こえてこない。




ちょっと笑える。


確かに、日向先生のバスケの選手になる夢も、私の行きたかった大学に行く夢も、上矢くんは叶えたね…。



(健一の、梨音の心を独り占めする夢も。)
< 224 / 236 >

この作品をシェア

pagetop