恋の約束事
もうなんか笑顔とか声色とかコロコロ変わってついていけないよ…!
「裏王子…」
「んあ?なんか言ったか??」
ボソッと呟いたつもりが、琉太くんにはバッチリ聞こえていたらしい。
地獄耳…
「え…えっと、その…」
「だーれが、裏王子だって?ん?」
ベッドが軋み、それと同時に迫ってくる琉太くん。
「りゅ、琉太くん!!…あ」
思わず、下の名前で呼んでしまった。
「琉太くん?あれ、さっきまで『高平くん』て呼ばれてた気がしたんだけど。」
意地悪に笑った琉太くんは話す事をやめない。
「そ、それはっ…」
「もしかして、琴。」
私の言葉は簡単に遮られる。
「心の中では俺の事、『琉太くん』て呼んでるの??」
ぬあぁぁああっ…!!
バ、バレてしまった…―