片恋★パンドラボックス
「えと…奈緒?」



「ずっとおにーちゃんの妹でいたかったから、この気持ちは封印するつもりだった。」



「えっ…」



「ずっとおにーちゃんの妹のままで居たかったから、この気持ちは捨てるつもりだった。ううん、一度は捨てたはずだった。」



「えと、奈緒?」



「でも無理だった。……あたしね、おにーちゃんが好きなの。」



「えっ…」



「ずっとずっと好きだったの。大好きだったの。」



「えっ、ちょっと待っ…えぇっ!」



目の前には困惑しているのだろう、ベッドに座ったまま右手で口元を覆うおにーちゃん。



そんなおにーちゃんを目の当たりに、自棄にならないはずがない。



「あたしね、ずっとおにーちゃんとこうしたかったの。」



「へ?…んっ。」



瞬間、油断した隙をついてその首に腕を回したあたしは、唇を唇で塞ぎながら、そのままおにーちゃんを押し倒した。

< 162 / 205 >

この作品をシェア

pagetop