片恋★パンドラボックス
未だ電源を入れていない、それ。



なかなか入れる勇気の出なかった、それ。



でも…。



ピッと電源を入れたあたしは、ひとつ息をつくとメールを打ち始めた。



送信先は、もちろんおにーちゃん。



『駅に着きました。』



躊躇いつつも、「えい!」と送信ボタンを押したあたしは、ケータイをバックの中に突っ込むと、誰よりも先にホームに出るべく席から立ち上がった。

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