片恋★パンドラボックス
「優斗も分かってると思うけど、あたしはあの日の優斗の言葉に甘えようとしただけだから。好きか嫌いかで言えば、好き、だから。………だから、次に進むため、利用しようとしただけ、だから…。」



「…そっか。」



「ゴメン。」



「ん。」



改めて言葉にするとよく分かる。



あたしって、本当に最低だ。



でもこれがあたしの本音。永遠に叶わない恋、おにーちゃんへの気持ちを忘れる為、優斗を利用しようとしたんだ。



親友にそんなことして心が痛まないかといえば嘘になる。



でも、それ以上にこの呪縛を解いてしまいたくて。張り裂けそうなほどのおにーちゃんへの気持ちを、心ごと、何処かに捨ててしまいたくて。あたしは優斗の言葉に甘えてしまったんだ。

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