竜を狩る者
由羽と瑞樹がやり取りをしているすぐそば。

「……」

一人の若い男が依頼書を引っぺがしていた。

肩までの長さの黒髪、黒眼、前髪で他者からは目が見えない。

防具は身につけておらず、一般的な黒の革服を着用。

左右の腰に鞘を下げている。

双剣の使い手なのは一目瞭然だった。

「おいおい、若造」

巨大なハンマーを携えた髭面の屈強そうな狩猟者の男が、彼に話しかける。

若い男の手にした依頼書が、竜種『ニーズヘッグ』討伐に関するものだったからだ。

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